地震時の家の窓対策とは?窓を開けるべき理由と強い窓ガラスの選び方を解説!

地震の際、「窓」は避難経路となったり、消火活動の水の入り口になることも多いため、窓の備えを学んでおくことも重要です。この記事では、地震発生時に窓をどのように扱うべきかや強い窓ガラスの選び方について、地震に強い家づくりサービスを提供するお家まるごと制震シェルターが解説します。ぜひ参考にしてください。

この記事を監修した専門家

愛知淑徳大学 建築学部 教授
古田 智基

愛知県名古屋市出身。子供時代は活発に過ごし、大学では日本は有数な地震国であることから耐震工学を専攻。二十数年の企業経験を積み、愛知淑徳大学の教員に至る。

地震発生時、家の窓を開けるべき理由

地震発生時に、窓を開けるべきか閉めるべきかは諸説ありますが、一般的には「開けるべき」と言われています。

建物が歪んで避難ルートが絶たれてしまう

地震は、揺れの大きさによっては建物自体を歪ませることがあります。その場合いざ避難しようとした時に、閉めていた窓やドアが開かなくなるなど逃げ道がなくなる恐れがあります。また、窓が閉まっていることで酸欠状態にもなりかねません。避難経路を確保するためにも、可能であれば窓やドアは開けることが望ましいです。

ただ、そうすることによって避難が遅れそうだったり、窓が今にも割れそうなど、状況的に窓を開けに行くことが危なければ無理して開ける必要はありません。安全に避難することを最優先に行動してください。

地震で火災が起きた場合

これまで、火事の場合は煙や炎が回ってこないように、窓を閉じることが基本とされています。

その理由は炎に酸素を与えないことで燃え広がる速度を最小限に抑えるためです。
ただし、窓を開けるか閉めるかの判断は状況によって変わります。窓を閉じることで逃げ遅れる可能性がある場合は、まず逃げることを優先してください。また、中から救助を求める際や外気を確保する際は、窓を開けることが重要になります。

窓ガラスでやっておくべき地震対策

地震発生時の窓に関して取るべき行動についてみてきましたが、他にもできることとして、窓ガラス自体への対策があります。日頃からレースカーテンをしたり、窓ガラス用のフィルムを貼っておくと、紫外線や強い光を防ぐだけでなく、何か物が飛んできてもガラスが広範囲に飛散するのを防いでくれます。

費用も安価で防犯性もアップするので、まず手軽に地震対策をしたい方にもおすすめです。ただ、窓が壊れていたり開けづらくなっている、長年の雨風や日光などで劣化が激しいなどの場合は、窓自体の買い換えを検討した方がいいかもしれません。

地震に強い窓ガラスの選び方

地震に強い窓ガラスには、「ガラスの破片が鋭くならない」「割れにくい」「火災時の延焼を防ぐ」など、それぞれ特徴があります。安心できる家づくりをされたい方は、以下のような窓ガラスを検討されてみてください。

網入りガラス

網入りガラスは、ガラスの中にワイヤーが通されています。割れにくさは特に高くはありませんが、割れたときにワイヤーがガラス片の散乱を抑えるので飛び散りません。一般的には防火地域などで使うよう建築基準法で定められています。

合わせガラス

合わせガラスは「防火・防犯ガラス」とも呼ばれ、2枚以上のガラスを特殊な樹脂で接着しています。この樹脂膜は物を貫通しにくくさせガラス破片の散乱を大幅に減らしてくれます。また、破裂時にとても大きな破裂音が出るので防犯にも有用です。住宅などの建物をはじめ、自動車などさまざまな場所で使われています。複数の合わせガラスの間に、中空層を設けて断熱性や防音性を高めたものもあります。

強化ガラス

強化ガラスは加熱と冷却を繰り返して強度を高めたガラスです。強度は通常の板ガラスの3倍〜5倍ほどあり、破片が粒状になるためケガのリスクを大幅に軽減できます。通常の板ガラスやフロントガラス、スモークガラスなどさまざまなガラスを強化ガラスに加工できる点も優れています。学校の窓ガラスやトップやディスプレイ棚など高い場所や人の手に付く場所などで使われることが多いです。

窓だけでなく家自体の揺れを減らす対策も

今回は、地震発生時の窓の扱いや窓ガラスでやっておくべき地震対策、地震に強い窓ガラスの選び方について解説しました。窓は避難経路としても重要な要素であり、その選び方1つで命運が変わることもあります。窓ガラスの地震対策もとても大切なことですが、地震の揺れ自体を大幅に減らせるよう、制震ダンパーで対策するという方法もあります。

お家まるごと制震シェルターが提供する制震ダンパー「ダイナミックファスナー®」は、金属とゴムのハイブリッド構造で、耐震性能を持たせた住宅と組み合わせることで震度7の揺れを95%以上軽減でき、くり返しの地震にも強い特長があります。設計図面だけでわかる大規模地震への無料診断なども行っているので、まずはお気軽にご相談ください。