長期的な資産保全を意識している方にとって、家の耐震補強は避けて通れないテーマです。今回は、耐震補強の方法と効果的な考え方について、地震に強い家づくりサービスを提供するお家まるごと制震シェルターが解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事を監修した専門家
西日本工業大学 デザイン学部建築学科
古田 智基
愛知県名古屋市出身。子供時代は活発に過ごし、大学では日本は有数な地震国であることから耐震工学を専攻。二十数年の企業経験を積み、西日本工業大学の教員に至る。

耐震補強工事はいつ必要?
耐震補強工事をした方が良いと判断する方法でおすすめなのが、築年数・壁面積・地盤の状況確認です。

築年数が古い住宅
1981年の建築基準法の改正では、耐震基準について大幅に強化されています。1981年以前に建築確認申請がされている建物は、新耐震基準を満たしていない可能性が高いので、ご自宅が心配な方は役所が保存している台帳(建築確認台帳)から建てられた年を確認してみましょう。
壁面積の量や吹き抜けの有無
壁面積の量や吹き抜けの有無は住宅の耐震性に大きく影響します。窓などの開口部が多く、1階に屋内ガレージがある家などは、必然的に壁面積が少なく1階の支えが弱くなります。また、大きな吹き抜けがあると地震の揺れで建物がゆがむ可能性が高いので、不安な方は耐震診断をおすすめします。
建物の地盤が弱い
建物の地盤が弱いと耐震性にも影響します。特に、人工的な埋立地や水場の近くでは地盤が緩みやすく、地盤の状態を正確に把握するためには地盤調査が必要になります。
耐震補強の方法とその効果
耐震補強とは、地震による建物の損傷を最小限に抑え、倒壊を防ぐための工事や改修のことを指します。具体的には、以下の4つの主要な方法があります。

基礎の補修
基礎を強化することで、建物全体の安定性を高めます。打ち増しやひび割れの補修が含まれ、費用はケースにより様々で、場合によっては新たに基礎を造る必要があり工事費がかさむ場合があります。
屋根の軽量化
特に重い瓦屋根を軽量素材に変えることで、建物全体にかかる負担を軽減し、地震時の揺れへの耐性がアップします。屋根の軽量素材として代表的なものに、スレートやガルバリウム鋼板があります。
壁の増設
耐震壁を増設することで、建物の構造を強化します。特に筋交いを設けることで、建物が地震の揺れに対して強くなります。しかし、壁を一度剥がして作業する必要があるため、費用が高くなる可能性があります。
金具の設置
建物の土台や柱の接合部に耐震金具を設置することで、建物の強度を高めます。建物の構造によっては設置が難しい場合もあります。
耐震補強工事の考え方
耐震補強工事を行う際に最も重要なのは、大地震などで建物が倒壊し命を失うリスクを最小限に抑えることです。そのためには、建物の耐震性能をしっかりと評価し、必要に応じて適切な補強を行う必要があります。
上部構造評点の理解
耐震性を評価する上で重要なのが、上部構造評点です。これは建物が持つ耐震性の強さを示すもので、各階ごとのX方向(東西方向)、Y方向(南北方向)の耐力について評価します。評点が1.0未満(耐震等級が1以下)の場合は、補強工事が必要となるため確認しましょう。
資産価値を高める
耐震診断や耐震補強工事は、建物の安全性だけでなく建物の資産価値を高めることにもつながります。また、定期的なメンテナンスや改修を徹底することで、将来の修繕費用を削減し、快適な住まいを維持できるようになります。
段階的な補強
予算や建物の状況に応じて、段階的に耐震性能を向上させることがおすすめです。最低限の補強から始め、徐々に安全性を高めていくことで、コストを抑えつつ効果的な耐震補強を行えます。
また、耐震性を長持ちさせるためには、繰り返しの地震に効果的な「制震」をプラスすることをおすすめします。お家まるごと制震シェルターの提供する制震ダンパー「ダイナミックファスナー®」は、繰り返し起きる地震を想定して設計され、最も地震の力を負担する筋かいに設置する仕様のため高い効果が期待できます。
まとめ
今回は、耐震補強の方法と効果的な考え方について、地震に強い家づくりサービスを提供するお家まるごと制震シェルターが解説しました。場合によっては建て替えが必要になる場合もあり、その際は耐震性能だけでなく、耐震性能をさらに向上させるために必要な制震装置(制震ダンパー)の導入もおすすめします。
お家まるごと制震シェルターの制震ダンパー「ダイナミックファスナー」は、地震の揺れをどの方向からも大幅に低減させ、一般的な制震ダンパーよりもコストを抑えて設置できるので安価な制震化を実現できます。
まずはお気軽にご相談ください。