2025年、住宅の省エネ化に向けた新たな一歩が踏み出されます。その鍵となるのが、ZEH水準の構造基準改定です。住宅がますます省エネに進化する中、その安全性も向上することが求められています。本記事では、ZEH水準の意味やその構造基準改定に関するポイント、実際の検証方法などについて、制震装置を提供するお家まるごと制震シェルターが詳しく解説していきます。
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この記事を監修した専門家
西日本工業大学 デザイン学部建築学科
古田 智基
愛知県名古屋市出身。子供時代は活発に過ごし、大学では日本は有数な地震国であることから耐震工学を専攻。二十数年の企業経験を積み、西日本工業大学の教員に至る。
ZEH壁量等基準見直しのポイント
省エネ基準適合義務化に合わせて2025年4月施行予定
2025年4月以降、住宅を含む全ての新築の建物が断熱材の厚さや窓の構造など省エネ基準(H28省エネ基準)を満たすことが義務化されます。
なお2022年10月より、各認定制度の基準が強化され、長期優良住宅等認定住宅においてはZEH水準の「断熱等級5」「一次省エネ等級6」の省エネ性能が求められています。その際長期優良住宅は、耐震性の基準が「耐震等級2以上」から「耐震等級3」に引き上げられています。
2030年には省エネ基準がZEH基準レベルへ引き上げられる予定であり、住宅の省エネ化・重量化に対応して、安全性を確保するため構造規定が見直されます。
ZEH水準等の省エネ性能の高い木造住宅・建築物が対象
壁量等構造基準が改定されるのは、ZEH水準の省エネ性能をもつ住宅です。具体的には「断熱等級5」かつ「一次省エネ等級6」に適合した省エネ性能の高い住宅で、これらの住宅は断熱材の増加や高断熱窓サッシの採用、太陽光発電設備の設置により家全体が重量化しています。
地域区分 | 1地域 | 2地域 | 3地域 | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | 8地域 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
断熱等級5:UA値 ηAC値 | 0.40 ー | 0.40 ー | 0.50 ー | 0.60 ー | 0.60 3.0 | 0.60 2.8 | 0.60 2.7 | ー 6.7 |
一次エネルギー 消費性能BEI | 0.8以下 | 0.8以下 | 0.8以下 | 0.8以下 | 0.8以下 | 0.8以下 | 0.8以下 | 0.8以下 |
なお、ZEHには太陽光発電などの創エネによって年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロ以下にすることが求められていますが、単に「ZEH水準」という場合は太陽光発電設備の導入は必要ありません。
壁の構造基準(壁量計算)の見直し
個々の建築物の荷重の実態に応じて、精緻に検証する方法
必要壁量=(Ai・Co・Z・Rt・Σwi)/(Qo ・Afi)
Ai :層せん断力分布係数
Co :標準せん断力係数0.2(令第88条第2項の規定により指定した区域の場合は0.3)
Z:地震地域係数1.0
Rt:振動特性係数1.0
Σwi :実況に応じた荷重(固定荷重、積載荷重、積雪)により算出(kN)
Qo :0.0196(kN/cm) Afi:当該階の床面積(㎡)
(木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要より)
必要壁量について、新しい必要壁量計算方法が追加されます。実際の建物荷重を推定して算出する計算方法で、より設計する建築物の実態荷重に近い形になります。
仕様等の組み合わせに応じて、必要な壁量が簡易に把握できる試算例(早見表)が活用できるようになるようです。
現行規定と同様に簡易に確認する方法
現行の壁量の確認方法に新たにZEH水準等の建築物に対応する基準が追加されます。
なお、現行規定では耐力要素として見込んでいない腰壁や袖壁等、準耐力壁等についても算入できるようになるほか、一定の高い耐力を有する壁に係る壁倍率の上限を引き上げるように見直されます。
構造計算(許容応力度計算等)により安全性を確認する場合は、壁量計算を省略可能
構造計算(木造若しくは鉄骨造の建築物又は建築物の構造部分が構造耐力上安全であることを確かめるための構造計算の基準を定める件(昭和 62 年建設省告示第 1899 号)に定める構造計算)により安全性を確認する場合は、令第 46 条第 4 項の必要な壁量の確認を省略することができます。
柱の構造基準(柱の小径)の見直し
ZEH水準等の建築物に対応する基準の追加
柱の小径は横架材間の距離に指定の係数を乗じて算出されます。柱の構造基準の見直しによって、「ZEH水準等の建築物」「ZEH水準等の建築物(多雪区域)」が追加されました。
2階建ての1階、横架材間垂直距離が2700mmの柱の場合、軽い屋根だと柱の小径は90mm以上、ZEH水準等の建築物の場合は108mm以上が必要となります。
通常105mm角または120mm角の柱が使用されますが、この場合、ZEH水準等の建築物ではこれまで使われてきた105角の柱は使用できず120角の柱を使用することになります。
構造計算(柱の座屈検討)により安全性を確認する場合は、柱の小径の確認を省略可能
壁量計算と同様に、構造計算(「木造の柱の構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件(平成12年建設省告示第1349号)」に定める構造計算)により安全性を確認した場合には、柱の小径の確認を省略することができます。
構造強化プラス制震で長期的な安全性の確保を
繰り返しの地震に対して有効なのは「制震」
省エネ化等に伴う重量化に対応して構造を強化したら、プラスで取り入れていただきたいのが「制震」です。地震大国日本では一度の地震に耐えるだけではなく、繰り返しの地震に備えることが必須の対策となります。
2016年の熊本地震後、一度目の地震では倒壊しなかった住宅も二度目の地震で倒壊してしまったものがありました。一度負ったダメージが修復されることなく次の地震に見舞われると、住宅の損傷は大きくなります。
大事なのは家にダメージを残さないこと、つまり、地震力を吸収する「制震」なのです。
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Japan Home & Building Show、九州ホーム&ビルディングショー出展
「お家まるごと制震シェルター」は、2022年に東京ビッグサイトで開催されたJapan Home&Building Show において、建築家が選ぶ、優れた建築を生み出すことに貢献しうる優れた製品、未来への布石となる製品に送られる賞である「みらいのたね賞」に選ばれました。
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11月開催のジャパンホーム&ビルディングショー2023への出展も決定しております。
お都合が良い展示会へのご来場をお待ちしております。